第6章 専属と配属
「ハンジ、アトカーシャ!後で通達することだが、王都で決定した事項がある。我々調査兵団に関わることだ。通達が行くと思うが覚えておいてくれ。」
「了解です!」
「分かったよー、エルヴィン。」
エルヴィン団長とリヴァイ兵長はその場を立ち去ろうとしていた。
「ま、待って下さい!!」
私の言葉に二人の足が止まった。
「どうかしたか?アトカーシャ。」
「……。」
「あの、…リヴァイ兵長にお話しがあるのですが…」
「そうか…じゃあ俺は先に行ってる。後で合流しよう。」
「…了解した、エルヴィン。」
リヴァイ兵長はその場に残り、エルヴィン団長は去って行った。
「…用件は何だ…?」
「あの…その…。昨日は色々ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした!!」
私は頭を深々下げ、リヴァイ兵長の言葉を待つ。
しかし、兵長の次の言葉は中々返って来ない。
「あの…兵長…私、」
頭を上げリヴァイ兵長を見つめる。
「…用件はそれだけか?」
「…えっ…?」
「聞こえなかったのか…?用件はそれだけかと聞いている。」
「は、はい!!」
「…用が済んだなら俺は行く。お前らもさっさと持ち場に戻れ。」
リヴァイ兵長はその言葉を残し、足早に去って行った。
(…いつもと感じが違う…これが本当のリヴァイ兵長…?)
私はその後ろ姿を見つめることしか出来なかった…。
(…今のリヴァイ冷たくない!?お礼言ったのにさぁ。)
(…いえ…忙しいのに引き止めた私がいけないんです…。)
(…この世の終わりみたいな顔になってるけど…。)