第5章 初陣と出陣
ーリヴァイsideー
「…確かに助けられなかった命は数多くある…。だが、助けられた命も数多くある…。この言葉は誰の物か覚えているか?」
「!!…それは…私がリヴァイ兵長に言った言葉です…。」
「壁外調査に出れば必ず犠牲は付き物だ…。それを片っ端から全部救うのも到底不可能…。
だがな…俺達にも出来る事はある…。目の前の救える命を救う事だ。…犠牲を覚悟で、助けられる命だけは救う…。それは…お前が選んだ道じゃないのか?」
「…はい…。」
(ちっ…多くしゃべり過ぎた…。こいつといると余計な事まで話しちまうな…。)
俺は心の中で悪態を吐いた。
「リヴァイ兵長…ありがとう…ございます…。私は弱い人間ですね…。」
「…そんな人間は腐る程いる…。」
「…私、決めました!!」
何かを決意したかのように、俺の方に向き直る。
「もう、涙は流さないって…。今度涙を流すときは…巨人を絶滅させたときです!!」
「…ほぉ…悪くない。」
俺はミユの頭 に手を乗せた。驚いた表情を浮かべていたが、それは笑顔に変わっていった。
「…やっぱりリヴァイ兵長は優しいですね…。」
そのディープブルーの瞳と、切ない笑顔に…
俺は今まで感じたことのない想いを抱いていた…。
(?兵長、私の顔に何かついていますか?)
(…いや…。)