第5章 初陣と出陣
「うぁぁーーーー!!」
逃げ遅れた班員の一人が巨人に捕まり食殺されそうになる。
「お前の相手はこっちだ!!」
ネス班長の機転の攻撃により、巨人の注意が班長に向く。しかし、無理な体勢からの攻撃だったため、逆にネス班長が捕まってしまった。
「「「 班長!!」」」
「くそ!!…俺の命もここまでか…お前ら!アトカーシャを連れて早く逃げろ!!」
「しかし…!!」
「命令だ!早くしろ!!お前らまで巻き沿いをくらってどうする!」
「!!…了解しました。」
「班長を置いて逃げるんですか!?」
「…命令だ!!二次被害を防ぐためなんだ!」
「でもっ!!」
「ぐずぐずしてる暇はない!早く逃げるぞ!!」
班員に促され、逃げる体勢を整える。
その時、ある光景が脳裏に甦ってきた。
(…新兵が壁外調査ですることは、上からの命令に従うことと、巨人に出会わず生きて帰ることだ。新兵が余計な気を使うんじゃねぇ。
だがな…自分の判断を信じても、仲間の判断を信じても、結果は誰にも分からない…。だからせめて自分が後悔のない選択をするんだな。)
(リヴァイ兵長の言葉…後悔のない選択…!)
私は決意を固めた。
「私、残ります!!班長を助けます!!」
「!?おい、待て!!」
班員の声を振り切り班長のもとに向かった。
(班長!!今助けます!!)
(アトカーシャ!?お前何で戻ってきたんだ!!)