第5章 初陣と出陣
調査兵団に入団してからの訓練は、実戦よりもエルヴィン団長が考案した「長距離索敵陣形」を頭に叩き込むことが主だった。
そして…
一ヶ月の月日が流れようとしていた…。
「ついに明日は壁外調査か…。結局、リヴァイ兵長に聞きたいこと聞けなかったな。」
私は、明日の壁外調査の報告と弔いの意を込めて調査兵団の石碑に向かった。
リヴァイ兵長に聞きたかったこと…
それは…
「…壁外調査に対する恐怖心はありませんでしたか…?」
石碑に向かって独り言の用に呟く。
「…死者はしゃべらねぇよ…」
「!!!」
誰もいないはずの場所…
そこには私が心に思っていた人…
それは偶然なのか、必然なのか…。
「リヴァイ兵長…聞いてらしたんですか…?」
「……。」
辺りは暗闇に包まれ、静寂が訪れる。
「…リヴァイ兵長は…壁外調査や巨人に対する恐怖心はありませんか?」
私は心の奥底で思っていたことを口にした。
((……。))