第4章 想いと思い
新兵になって初日…
私達はネス班長のもと、調査兵団の馬について話を聞いていた。
(調査兵団の馬は特別なんだ…)
話を聞いていると向こうから一人の人物が近付いてきた。
「ネス、ちょっといい?」
「ハンジ分隊長!?こんな場所にどうかしたんですか?」
「ちょっと探し人を……って、いたいた!!君を探してたんだよ。」
その人物は、私の目の前で立ち止まった。
「私ですか!?」
私を上から下まで見て、必要以上に観察しているように思えた。
(確か…ハンジ分隊長だっけ?分隊長が私に何の用!?)
怪訝な顔で見ていると、向こうも気づいたみたいだった。
「ごめん、ごめん。君に少し頼みたいことがあるんだ。名前何て言うんだい?」
「…ミユ・アトカーシャです。」
「ミユか…。それでミユ、頼みたいことなんだけど…この書類をリヴァイに渡してきて欲しいんだ。」
ハンジ分隊長が渡してきたのは封筒に入った書類だった。
「…私が!?この書類をリヴァイ兵長に…ですか!?」
「うん、そう!宜しく頼むよ。リヴァイは待たされるの嫌いだから早めに届けてね!!」
それだけ伝えるとハンジ分隊長は嵐のように去って行った。
私の手元には、何故か預かってしまった大事であろう書類…
「…何で分隊長がミユに大事な書類を渡すんだ!?」
「さぁ…むしろこっちが聞きたいくらいだけど…」
「とりあえず…リヴァイ兵長に届けなきゃマズイだろ。」
同期達の言葉でことの重大さに気づく。
「!?そうだ!早くこの書類をリヴァイ兵長に届けないと。」
私はネス班長に事情を理解してもらい、リヴァイ兵長を探しに向かった。
(リヴァイ兵長、何処にいるんだろう?)