第4章 想いと思い
―リヴァイside―
沈黙がやけに長く感じた。
(俺は訓練兵相手に何言ってんだ…。)
自分に悪態を吐き、嫌気が指す。
しかし、そいつは何の戸惑いもなく自分の思いを口にした。まるで、俺が期待していた言葉を言うように。
「確かに助けられなかった命は数多くあります…。でも、助けられた命も沢山あると思いますよ。」
「お前に何が分かる…。」
そいつの一言でイラつきは抑えられなかった。
「…分かります…。私もリヴァイ兵長に助けてもらった一人ですから。」
「!!…。」
その言葉に、俺の心は軽くなった気がした…
しかし心境の変化に俺は戸惑いを隠せなかった。
「も、申し訳ありません!!!生意気なこと言ってしまって…!!わ、私そろそろ戻ります 。」
そいつは、足早にその場を後にしようとしていた。
「…待て。」
「!!?」
俺はそいつを呼びとめ、名前と所属する兵団を聞いた。
(調査兵団志望か…。)
そいつは俺に敬礼し、その場を去って行った。
…サァァァァァーーーーーー
「ミユ・アトカーシャ…。」
俺が口にした言葉は…
風の音と共に消えていった…。
(あっ!!おかえりーリヴァイ。遅いから会議終わっちゃったよ!って…何か良いことあった?)
(…いや…。)