第4章 想いと思い
ーリヴァイsideー
日が傾きかけ、辺りは静寂に包まれる。
(…日が落ちてきたな…そろそろ戻るか。)
俺はもう一度石碑を眺め、その場を後にしようとした。
パキッ!!
「「!!」」
静寂はその音によって破られる。
「…誰かそこにいるのか!?」
「も、申し訳ありません!!」
深々頭を下げている人物がいた。
(暗くてよく分からねぇが…訓練兵か…?)
「てめぇ…訓練兵か?何故訓練兵がここにいる…。」
「それは…、」
そいつは頭を上げ、俺を見る。
目と目が合う…
それは、深いディープブルー色で…
全てを飲み込むような…
そして、美しくも悲しい瞳だった。
俺は一瞬、その瞳に目を奪われた。
(…ちっ)
ガラにもない俺自身に舌打ちし、そいつの目的を聞いた。
「…はっ!!調査兵団の方々の石碑に弔いをと思いまして…しかし、リヴァイ兵長の弔いの邪魔をしてしまい、申し訳ありませんでした。」
「……。」
(こいつらの弔いか…。そんな奴俺以外にもまだいたのか。)
俺はそいつに、弔いを早く済ませるように言い、終わるのを待った。
また辺りは静寂に包まれる。
「…こいつらは俺が殺したんだ。」
「…えっ…。」
俺は何故かそいつに話しかけていた。
それは、調査兵団の内部を知らない訓練兵だったからか…または、他に理由があったからか…
俺には分からなかった。
(………。)