第3章 再会と再開
「 「 ……。」 」
お互い言葉を発せず、辺りに沈黙が流れた。
時間にしてみれば数分も立っていないのに、沈黙がやけに長く感じた。
「…おい…。」
「 は、はいッ!!」
沈黙はリヴァイ兵長の一言で破られた。
「もう一度聞くぞ…何故訓練兵がここいる。」
「…はっ!!調査兵団の方々の石碑に弔いをと思いまして…しかし、リヴァイ兵長の弔いの邪魔をしてしまい、申し訳ありませんでした。」
「……。」
辺りにまた沈黙が流れる。
「…やくしろ。」
「 …?」
「…聞こえなかったのか?早くしろ…こいつらの弔いするんだろう。」
「… は、はい!!」
私は急いで石碑に手を合わせた。
…サァァァーーーーー
辺りに風の音だけが響く。
まるで死者を弔う鎮魂歌(レクイエム)のように…。
「…こいつらは、俺が殺したんだ。」
「…えっ…?」
…風の音が止む。
「こいつらは壁外調査で死んでいった…。俺が助けられずにな…。もし調査兵団に入っていなかったら、今頃は生きて違う人生を歩んでいたかもな…。」
「……。」
その言葉に息を呑む。
「……それは…違うと思います。」
「…どういう意味だ…?」
私の一言にリヴァイ兵長の表情が険しくなった。
「…人は遅かれ早かれ必ず死は訪れます。それは…その人の人生です。他人が関与して変えることは…難しいと思います。…そう思わないと悲しすぎますよ…。」
「……。」
「確かに助けられなかった命は数多くあります…。でも、助けられた命も沢山あると思いますよ。」
「お前に何が分かる…。」
「…分かります…。私もリヴァイ兵長に助けてもらった一人ですから。」
「!!…。」
(……。)