第3章 痛みと引き換えに
それにしても、頬はまだ火照っている。
なんなんだ。
トーカさんは含み笑いをしたまま、
「いいじゃん。もういっそ付き合っちゃえば」
「!!!//」
とんでもない事を軽く言えてしまう。
熱が蒸し返してきそうだ。
「…そもそも、恋愛の定義が分からない僕に、そんな…」
「定義なんてはっきりしてたら、悩んでる奴なんていないって」
トーカさんは、悩んだこと、ないのかな。
「僕はなんにもわからないです。
僕自身が…柚葉…っ…を、…好きなのかも、
なんでこんなに焦るのか、熱いのかも、付き合って何をするかも、
ぜんぶ…」
本音が、堰を切ったように口から漏れていく。
率直な悩みで、ただ困った。
「____ま、ゆっくりやってけば?
リオの問題なんだし、時間をかけて答えを出せたら。
…私は…そういうのよくわかんないけど、話くらいなら聞いてやるよ」
「…はい」
きっと、トーカさんなりにアドバイスしてくれているんだろう。
トーカさんの言う通りだ。
時間をかけてゆっくり、探せばいい。
込み上げた熱の理由も、
見つかるまでやっていけばいい。