第3章 痛みと引き換えに
「えっいやだって、トーカさん、さ、さっき、
さっき言ってたじゃないですかっ…//」
「は?何が」
「っ、だって、柚葉が言ってた友達ってお前かって、
トーカさん言ってたんです!」
「いや…私は柚葉が言ってたのって
お前かって言っただけで友達だったのかなんて言ってないし」
「…ぅ……」
僕の聞き間違いだったらしい。
というかなんでこんな動揺してるんだ。
訳もなく体が火照った様に熱い。
柚葉が一緒にいたいって言った時にも、
似た様な熱さがこみ上げた。
……いや、……僕の中に訳があるから熱いのかな…?
わからない。
熱は思考を妨げていく。
「なんで恋人同士なんて思ってるんですか…」
「だって、柚葉が私に話してたのあんたの事ばっかだったから。
柚葉、そいつの恋人なのかと思ってた」
「……そうだったんですか」
さっきの妙に熱を持つ、照れくさいものじゃない。
なにか、嬉しいような感情が沸いてくる。
恋人だと思ってたのはトーカさんの考察の結果らしかったけど、
柚葉の中に僕がちゃんといるんだな、そう感じて安心した。
もちろん僕の中にも、柚葉はいる。
簡単にはいなくならない、
大きな存在。
恋とかはよくわからない。
ただ一緒にいて、お互いが愛し合ってる感じ。
それを、僕と彼女で…………
……………………………………
………恥ずかしいから考えるのはやめにした。