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Call me. 【東京喰種 JAIL】

第1章 足音と





しくじった。

足自信あったのにな。

私は今、喰種収容所コクリアにいる。


何故か。



社会勉強その他事情で元々ヘルタースケルターという
オトナなバーの裏側で仕事をしていたただの喰種だった私は、
ある日血酒の原料を採る為に
よくヒトが死ぬスポットに来ていた。

そこでおやつを取りつつの仕事をしていた真っ最中。


まぁ運悪く、アタッシュケースを携えた
2人組の捜査官がいた。


目が合う。


肉をまさぐる手をぴたりと止めて、
ただ捜査官と何の色もない顔で視線を送り合う。


真顔で。


怖い怖い怖い怖い怖い。怖い。
あの人の真顔怖い。


いや。怖いより、 まずい

いつ流血の惨事に至るかも分からない命懸けの見つめ合い。

もう何秒奴の真顔を見ただろう、流石に嫌になる。
もう持たない。

...いま戦うのは得策じゃない。
そもそも独りで白鳩に対峙したのは初めてだったし、
私は喰種として縄張りを持てる程の力も無い。

まともに戦闘なんて尚更だった。
でも足だけは速い。(はず)

なら。 


逃げるが勝ちが通用するなら…



死体の入ったリュックを持ち、今出せる全力で駆けだせ!!!




、と思ったが先。


体に一瞬で、電流が突き抜けた。

背中を向ければ、そりゃやられる。
逃げるが勝ちは、いつでも通用するものではないらしい。


なんとなく、目が合った時から私は諦めてたんだろう。

あ。あの真顔のオッサンのクインケだな。


どうでもいい事が浮かんで、
痛いのかどうかすら分からなくて、
ぺたりと呆気なく地面にへたりこむ。

しぬ。

そう思ったのに。

何故かいつも眠りにつく時のような、
ふわりとした眠さが来て、眠気に身を預けてしまった。

それから、

肉がみっちり詰まったリュックを見られ、
事情を一回聞くために私はコクリアに転送されたらしい。
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