第1章 足音と
「...リオ」
「?」
「僕は、リオだ」
リオ。それが僕の名前。
そして、僕は人ならざる生き物
______喰種。
でも、ここに来るまでの記憶が無い。
どうしてこんなところに居るのだろうか。
継ぎ接ぎのヒトが口を開く。
「...自己紹介をどうも、ジェイル。
喰種であれど一定の礼を尽くすのが私の主義だ。
私の名は キジマ式 」
「ここは喰種収容所 コクリアだ」
キジマ、式。
聞いたことがある。ような気がする。
____ズキン
頭に響く鈍い痛み。
思い出した。
僕は住みかにしていた廃屋で兄さんを待ってた。
そうしていたらキジマが沢山の人を連れ、僕を拐った。
そうして目覚めたらここに居た。
...そうだ、
兄さんは......
「混乱して自分が何者かよくわかっていないようだ
.....なに、すぐに思い出させてあげよう」
「楽しい時間の始まりだ、______リオくん、?」