第3章 痛みと引き換えに
サイズの計測を一通り終え紙に書き込むと、
イメージを膨らます為に質問をする旨を伝えられた。
質問の内容は幅広かった。
海に溺れたのは老いた母親か、長年の親友かと言うものや、
好きな人には尽くすか、尽くされたいか、すれ違い際にぶつかったのはどんな人か、
など、7~8個くらい。
ちなみに僕は尽くされたい。
マスク作りに関係あるのかと聞けば、
「人格を掴んでイマジネーションを膨らますのって大事だからね」
と返された。
僕の人格を表したマスク。
一体どんな物になるんだろう。
大体1、2週間で出来るらしいので、僕らはとりあえず店を後にした。
外は丁度日が落ちはじめていた。
綺麗な夕日に雲は鮮やかなオレンジで彩られている。
「トーカさんは、どんなマスクを作ってもらったんですか?」
「私は好きな動物一個聞かれて、
うさぎって答えたらうさぎのマスク作られたけど」
「(うさぎ好きなのかな)それ、つけるんですか」
「うるさいな」
「…てか柚葉とリオって恋人同士だったの?」
「…ぇ。」
え?
あれ?
トーカさんさっき柚葉の友達ってお前?って聞いてたよね?
どう解釈したんですか。