第3章 痛みと引き換えに
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柚葉と別れたあと、
また会えると思ったらあの孤独感はなくなった。
それはもう、すっきり。
兄さんがいないのは確かに寂しい。
でも、僕は守られすぎだと思った。
兄さんがいないと喰い場もない、
喰えていけない、暮らせていけない。
そんな兄さんに頼りっきりで甘えていた幼い僕。
そして今に至っては、友達とはいえ女の子の柚葉が、
兄さんの役目をすると言う。
寂しさを埋めてくれる柚葉がいてくれるだけで十分だったけど、
1割位は冗談じゃない、と思った。
また守られて生きるのは嫌だ。
だから僕が柚葉を守れる位に強くなる。
今度は絶対失いたくないから。
柚葉には(恥ずかしいから)言わないけど、
決意は僕の中で固まっていた。