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Call me. 【東京喰種 JAIL】

第3章 痛みと引き換えに





とりあえずその日はあのままリオと別れ、
重い足取りでヘルタースケルターに戻った。

着くまでは特に何事もなく、無事帰路につけた。

まだ夜8時半。
やってるな。

何故かふつうに入れなくて、久しぶりに客用の表から入ってみる。
恐る恐るドアを引いて、カランコロン、とお馴染みの音が鳴って。


「…た…ただいま七瀬帰りました……」

「いらっしゃーぃ…、…ん…あれ…えっ、まさか…柚葉!?」

出来るだけ謝罪の意を表そうと下げた頭に掛かる、久しぶりの声。

イトリさんだ。

安堵と申し訳なさでいっぱいで、何から言えばいいのかわからない。

「………はい、いかにも」
「柚葉お帰りーーーっっ!!!」
「むぐ」

視界に飛び込んだのは、やわらかでおおきなイトリさんのお胸。

それを私にぎゅーっと押しつける。

毎回思うこれは当てつけなんだろうか。

とりあえずびっくりした。  
絶対殺されてから始まると思ってた。


「まぁ今日あたりは特別休暇にしといてあげよう。
 さ、まず座れ。いろいろ吐いてもらおうじゃないか」

「はあ…今日怒らなかったですね。びっくりした」

「ふふふ…それは話を聞いたら変わるかもよ」

頬杖をつき、妖艶に口角を上げる。
店内の薄暗い照明と相まって、それは大人特有の色気をかもし出していた。


こういうのを大人の女性っていうんだよなぁ。


バー特有の高い椅子に腰掛け、辺りを見る。まだ客はいなくて、
情報話をするには平気そうだ。
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