• テキストサイズ

Call me. 【東京喰種 JAIL】

第3章 痛みと引き換えに






リオに言ったことは、
半分は本音、半分は口実だった。


最後の家族だったアズサさんを、
自分の選択で監獄に置いてきてしまったリオは、本当に辛いと思う。

だから一緒にいて、仮初の支えになりたいのは本心。
昔から知る、唯一の友達だったから。


その一方で、一緒にいる理由には口実が見え隠れしている。


彼の知らない“自分”がいることを、リオ本人は知らない。


私にはそれを抑制させる事も必要だった。
かつてリオのお兄さんが、弟の為にそうしていたように。


そんな影のかかった口実混じりの言葉に、リオは涙した。

「…っ、…ごめん」
涙声で謝って、服の裾で止まらない滴を拭く。


「……ありがとう」
そう笑っていうリオに、私は何も言えなかった。
リオの為と思い込んでも、何故か欺いてる気分になったからだろう。

騙してない。
一緒にいたいのは、嘘じゃない。


それなのに、不快感は拭いきれない。


何も言わない代わりに
私は、いつもみたいに笑おうと顔を作る。

無理矢理に見えてるかも。
/ 46ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp