第1章 足音と
___カツン、カツン。
聞こえる。
カツン、カツン
足音。
もう近い。
___ギィ
不快な音を立てて、硬いドアは開いた。
カツン。
「 目が覚めたかい、ジェイル? 」
横になる僕の前に現れた、
_______人、なんだろうか。
金属製の足音の正体。
顔が継ぎ接ぎで出来ていて、右足は義足、耳と鼻がない。
それは不恰好な手製のぬいぐるみみたいだった。
いま、
僕を「ジェイル」、と呼んだ。
違う、知らない。
僕の名前はそんなじゃない。
でも何故か、脳の奥がその名に呼応するように痛い。
____ジェイル.......??