第8章 お茶をどうぞ、お嬢様〜執事松〜
願いはすぐに叶う。
「おにーちゃんパーーーンチ!」
「シェーーーッ!?」
突如窓から侵入したおそ松が鈍器でイヤミに襲いかかった。
おそ松が手にしているのは陶器の壺。ナ○レオンズが手品で使ったという、普段は階段の踊り場に飾ってある大切な代物だ。その、数千万円はくだらないという(お爺様談)壺でイヤミの顔を殴っている。何度も、何度も。
というか、全然パンチじゃない。壺で殴打してるだけ。
イヤミがよろけた隙を見計らって私はおそ松の背中に避難した。
「おいこらイヤミ!昼寝してたのにうるせーんだよ!中途半端な睡眠はいっちばんねみーんだからな!」
「い、いきなり現れて一体チミはなにを」「だからうるせぇっ!パンチパンチパンチからの執事アッパー!!」
「シェシェーーーッ!!」
最後のアッパーを繰り出した時、壺がイヤミの出っ歯に当たり盛大に割れた。
ナポ○オンズが初めてテレビ出演した時に使用したという、伝説の壺が……。
「あ」
「ナポレオ○ズーーーッ!!??」
叫ばずにはいられなかった。