第7章 全力トド松ガールー〜トド松〜
鼻血を止血したタイミングでアイスティーが運ばれてきた。
私は密かにダイエット中だからストレートだけど、トッティはミルクとガムシロをたっぷり入れて甘々にしている。
でも、とーーっても頭が良くて気が利くトッティにはすぐにバレちゃうの。
「ストレート珍しいね?もしかしてダイエットしてる?」
「う、うん、最近お気に入りのデニムが苦しくなっちゃって…」
恥ずかしくなってウエストをさすると、トッティはストローから常時ケアを怠らないぷるんとした唇を離し、ニッコリ微笑んだ。
「ふふっ、ダイエットなんかしなくたってカワイイよ」
「うぶっ」
「っと、はい7回目」
「ごめんなさい…」
鼻血が出るのを予測してたのか、トッティが素早くティッシュをくれた。そのおかげで私のアイスティーは紅いシロップ混入を避けられた。
と、トッティはバッグから何かを取り出しテーブルに置く。
「はいあげる」
「これなぁに?」
小さな小瓶を手にとって眺めてみる。
「サプリメント。鉄分補給のね」
「ありがとう…いつも鼻血出しちゃってごめんね。ほんとのほんとにごめん」
「謝んないで。これはボクの為だから。大好きな彼女が元気無くなっちゃったらボクが嫌なだけだし。それにね、ボク嬉しいんだ。ボクと過ごしてこんなに鼻血出してくれる子なんて主ちゃんが初めてだからさ」
ここまでで十分胸キュンワード連発だったのに、トッティは私の頭を撫でながら、またしても鼻の粘膜にダイレクトアタックした。
「こんな大きな地球っていう宇宙船に生まれてさ、主ちゃんっていう素敵な女の子と出会って彼氏になれて、ボクとーっても幸せ♡」
(あまあまトロトローーーッ!!!!)
こうして、お店を出る頃には、私の鉄分はサプリでは補えないくらい減ってしまっていました。
・・・