第6章 さよなら14番〜カラ松〜
視界がぼんやりとし、耳が膜を張ったように遠くなる。
松野看守は最奥まで腰を押し付けると、呻くような吐息を一つこぼし、私の奥へ射精した。
「あ、あぁぁ…」
ドクドクとあたたかいものが注がれていく感覚と共に心が満たされていく。
松野看守は息を荒くしたまま、私の背中を抱きしめ動かなかった。
松野看守の吐息、汗の匂い、体温が私を包んでいる。
私が壁に頭を預け、ジャラリと手錠が鳴った時、彼は呟いた。
「なぁ15番…君はオレから逃げたりしないよな?」
背中越しに聞こえる、縋るような声。
優しくて強い彼が、初めて私に見せる臆病な心。
「君がいないと、オレは…オレはもう…っ」
振り返り、汗が滲んだシャツに顔を埋めた。
「逃げません。もう全部松野看守のものですから」
溢れる想いを告げると、強い力で抱き締められ、
「…信じてるぜ」
囁きと共に、額にそっとキスが落とされる。
「まぁ、逃げたとしても、必ず捕まえてきつい仕置きをしてやるがな…」
「逃げなくても虐めるくせに」
「虐めるんじゃない、愛の鞭だ。んー?そうか、まだ足りないか?」
激しい愛に身も心も溺れていく。
もっともっと、私を求めて。虐めて。貪って。
・・・