第6章 さよなら14番〜カラ松〜
・・・
「フン、脱獄に加担した挙句、看守の命令に逆らうとは」
ビシッ、ビシッと、乾いた音が部屋に響く度、痺れるような痛みが素肌を襲う。
「んーっ、んぐっ!」
(こんなの…恥ずかしい…!!)
囚人服を脱がされた私は、その名の通り"お仕置き"を受けていた。
それは許可なく達してしまったことへの罰。
手錠で手を拘束されたまま、壁に寄りかかってお尻を突き出す体勢にさせられている。
幾度となく警棒で叩かれた臀部は、赤く腫れ上がりじんじんと熱を帯びている。
「15番…なんて美しいんだ…」
痣に唇を這わせ、松野看守は恍惚の表情を浮かべている。
松野看守、こんな性癖あったんだ——とは思ったものの、それよりも私の心を支配しているのは、
(嬉しい…喜んでくれている…)
松野看守に絶対服従している陶酔感だった。
痣に舌が這えば、甘美な痛みに身体が喜びの悲鳴を上げる。
「よし、もういいだろう」
満足そうに呟くと、口を覆っていたネクタイが解かれ、私の肺に冷たい空気が入り込んだ。