第4章 松奥〜F6十四松〜
「今日もたっぷり注いであげるからね」
十四松様はいつもそう。
達したばかりで、意識が朦朧としているわたしに挿入するのが好きなのだ。
「待って…待ってくださいませ…」
今繋がってしまえば、わたしは我慢なんて出来ない。
きっとまた思考が溶かされ、半狂乱になって声を上げてしまう。
…翌日、御年寄様に叱られてしまう。
「なーに?まだ指で可愛がって欲しいの?」
ふるふると首を横に振る。
「こわいのです…」
「こわい?何が?」
「自分が…狂ってしまいそうで。お願いします。しばし休ませてくださいまし」
懇願したのだけれど、十四松様には逆効果だったようで…。
「ハハッ、そうか。ならばトコトン狂わせてあげようぞ」
そう言うと、楽しげに微笑みながら、パンと手を打ち鳴らした。
その音を合図に御伽坊主が衝立をずらし、そっと畳に小瓶を置いてまた衝立を戻す。
十四松様は嬉しそうに小瓶を拾い、蓋を開いた。
「それ…なんですか?」
「媚薬だよ。チョロ松兄さんが勧めてくれたんだ。ほら、口開けて」
「媚薬…!?」
そんなものを飲んでしまったら、わたしの身体はどうなってしまうのだろう?
「あ、あの!わたしは…そんなっ!」
「いいから…」
逞しい腕がわたしを仰向けに寝かせた。
十四松様は小瓶に口をつけ、唇から直接わたしの口へ媚薬を流し込む。
「ん…」
「とびっきりの夢を見させてあげる、お姫様」
舌が絡み合い、甘酸っぱい果実のような味が口の中に広がる。
——と、身体の奥に何かが駆け巡った。