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おそ松さん〜寝物語は君の隣で〜

第12章 ※くすり〜トド松〜




「なんか腹減っちゃったー。ラーメン食いにいかない?」

「出かけるからムリ」

「そーなの?にーちゃん聞いてないよ?」

「言ってなかったっけ?ごめん、じゃあね」


出て行こうとするも腕を引っ張られる。


「なぁ、ちょっとこっちきて」


半強制でソファーに座らされる。


「なに?時間ないんだけど」


不機嫌なボクを「まぁまぁ」となだめながら、おそ松兄さんも隣に座る。

無表情で何考えてんのか全然分かんない。肩が触れるほど至近距離でジロジロ見られて正直気持ちわるい。

そして呼び止めたくせに何も話してこない。

時間が無駄に流れていく。


「あのさ、用がないなら行くね」

「ダメ」

「なんで?」


苛立った視線で目が合うと、おそ松兄さんはなぜかニーッと歯を見せて笑った。


「お前さ……可愛いな」

「は?え?あ、ありがと」

「いやぁ、ぶっちゃけ前はそんな可愛くねーしドライで心がなくてにーちゃんに女の子1人紹介しないクズでサイテーな弟だと思ってたんだけどさぁ。最近その良さに気づいた」


合コン連れてってやった恩を忘れたか!?


「ひどいなぁ。ボクはおそ松兄さんのこと、頼りになって優しいってずっと前から思ってるよ♡」

「マジ?あざーっす」


照れ臭そうに鼻の下を擦っている。

ボクとしては、早くこの場を切り抜けサヨナラしたい。


「ボクもう行かなきゃ。また今度いっぱい喋ろ?」

「待てって」


また腕を掴まれる。そして、反対の手でボクの頬を撫でてきた。


「なにしてんの?」

「可愛いからほっぺぷにぷにさせて」

「無理」

「んだよぉ。兄弟水入らず仲良くしよーぜー」


おそ松兄さんの人差し指がボクのハリがあってキメ細かいほっぺを犯し続ける。そして気づけば肩を抱かれていた。

わかりやすいくらいの猛アタックだ。


(コイツ…まさか!)


疑う余地なんてない。


「おそ松兄さん薬飲んだでしょ!押入れの!」

「薬ぃ?よく分かんないけどあームラムラしてきたー」

「ちょ、やめろ触んなって!」

「あーダメ!にーちゃん止まんない!」

「っ!?」


ソファーに押し倒され組み敷かれる。近い近い近い色々近ぁぁぁい!


「トド松」

「どいて!」

「どかない」


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