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おそ松さん〜寝物語は君の隣で〜

第11章 リクエスト作品 ハニーに首ったけ〜カラ松〜




ハニーとの甘いひとときをぶち壊されたのは少々、いや、だいぶ残念だが、こうなったら本気を出そう。

全てはハニーの為。エブリシングだ。分かるだろ?オールウェイズハニーラビューなんだ。


「ぃよしっ1匹ゲットー!」

「やるなトッティー!」


ブラザーの声に動じるな。

イメージしろカラ松。オレは魚。魚はオレ。

魚の気持ちとリンクするんだ。

瞳を閉じて深呼吸する。

オレは水中を彷徨う孤独な魚・魚・魚——


(あぁ…腹が減った。ん?ワォワォワーォ!こんなところにうまそーなエサがあるじゃないか!)


そうだ。怖くない。怖くないぜ。


(人の気配もないし平気そうだな!)


ああ平気さ!さぁ……そのままおいで。カモンフィッ……フ…フィッ!!??

突然、頭の中にビビビッと電流が走る。眼前を見やれば今まさに!釣り糸がピンと張っていた!

竿を握りしめ勢いよく引く。


「ハーッハッハッハ!!引っかか「きゃーっ!」っっっっんどうしたマイハニーーーーィ!?」


ぎゅるんと横を向くと同時にボチャンと無情な音が響いた。


「あ」


静けさを取り戻した水面に水紋が広がっている。


「やだー取れない!」

「と、取れないとは?」


魚とのグッバイを惜しむ間も無く、愛しい声の主へ視線を戻す。


「針が服に引っかかっちゃって。後ろだから届かなくて」

「フッ、こっちに背中を向けるんだ」


子供のようなハニーが愛らしくて思わず笑みが溢れた。


「しょうがないハニーだ。ジッとしてるんだぞ」


服がほつれないようにゆっくりと針をはずしてやる。


「邪魔しちゃってごめんね。ありがと」

「気にするな」


何をどうすれば針を背中に引っかけるのか分からないが、可愛いから気にしないぜ!

不意打ちのドジっ子スキルで魚は逃してしまったが、またすぐにチャンスはくるだろう。

さぁ気を取り直して——


「カラ松ぅ!取ってー!」

「また引っか……って、そこはアウトォォォ!!」


ブラザーに見られぬよう急いでスカートから針を外す。

やれやれ……実に、実に困った子猫ちゃんだ……。



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