第11章 リクエスト作品 ハニーに首ったけ〜カラ松〜
熱く胸をたぎらせていると、ツンツンと可愛い指がオレの肩をノックした。
「どうした?」
「なに考える人のポーズしながらぶつぶつ言ってるの?」
「い、いやべつになんでも…」
「へんなのー」
つい己の世界に浸りきっていた。せっかく隣にハニーがいるというのに。
「ほら、弟くん達に負けないように釣らないと。まだこっちはゼロなんだから」
「フーーン、それは…………仕方ないのかもしれない」
「え?」
ここでサングラスを少しズラし斜め45度でハニーに熱い視線!
「釣れないのは、オレに恋して恥ずかしがってるからさ………鯉だけに」
「えーと、つまんないからこれ没収」
「ちょ、おいっ!?」
ハニーはパーフェクトグラサンを奪い、イタズラな笑顔を浮かべながら装着した。
「頑張っていっぱい釣ろうね!」
「…!」
可愛い…可愛いすぎるぞ主。
なんてキュートな笑顔なんだ。
もっと笑わせてやりたい。
そして、その笑顔をオレだけのものにしたい。
ならば、この勝負——
「なんとしても勝たないとな」
「うん!」
ハニーの頭をポンと撫でて、釣り糸を垂らした。
主を笑顔にする、それが何よりも大事だって気づいたんだ。