第7章 赤髪の彼の手入れは長い。
殺せんせーが外に一瞬で移動する。その触手はドリル型だ。そしていつの間にかその手にはミサイル……ミサイル!?
…そういえばそんな場面だったな。
「見せて上げましょうカルマ君。このドリル触手の威力と、自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を」
ミサイルの火の上で殺せんせーのドリル型触手が動く。っていうか勝手に奪うんじゃないよ、ミサイルを。
「先生は暗殺者を決して無事では帰さない」
そしてまた教室に舞い戻る。そのまま私の横のカルマ君の席へ。
風が通り過ぎたあと、カルマ君を見ると……その口にはものの見事にたこ焼きがあった。
「あッつ!!」
カルマ君は驚いてたこ焼きを口から出す。
「その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでタコヤキを作りました。これを食べれば健康優良児に近付けますね」
いつの間にたこ焼き専用の紙に入れて……このマッハの先生は、予習してても予測不可能すぎる。
「先生はね、カルマ君。手入れをするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を」
殺せんせーはたこ焼きを口にいれてニヤリと笑った。
「今日1日、本気で殺しに来るがいい。そのたびに先生は君を手入れする」
カルマ君はおどろきながらニヤリと笑った。
「放課後までに、君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう」
二人の間に流れる空気が黒い。
手入れ尽くしの1日、開始です……。