第7章 赤髪の彼の手入れは長い。
「……カルマ君」
とりあえず落ち着け、私。キレたらカルマ君の思いのままだ。それに勝てるとは思えない。
「キレちゃう? ケンカだったら俺負けないけど。」
……このカルマ君はまだ手入れを受けてない。手入れを受ける前に私が言うなんて…そんなのダメだ。
だから……
「あんまり人のこと、憶測だけで話すの良くないよ、カルマ君」
私はカルマ君の方を少しだけ見て微笑んだ。
「……え」
カルマ君が少し呆けた様な顔をしたところに殺せんせーが入ってくる。
「おはようございます」
殺せんせーはすぐにクラスの異様な空気に気付いたのか、
「…ん? どうしましたか皆さん?」
と言った。
その丸い目が教卓に吸い寄せられる。
「あっごっめーん!」
すぐに仕切り直したのはカルマ君だ。
「殺せんせーと間違えて殺しちゃったぁ、捨てとくから持ってきてよ」
「……わかりました」
ヌチャ、という海産物独特の音が聞こえる。
(……カルマ君は先生を舐めてる)
ここで食べ物を無駄にする先生じゃないでしょ、殺せんせー!