第7章 赤髪の彼の手入れは長い。
次の日。いつも通り学校へ登校。
……このままマンガ通りいくなら…………私はなるべく静かに扉を開けた。
「…………!」
「き、京香…やっぱ驚くよね」
莉桜ちゃんが気を遣ったように言ってきた。
「……皆は驚かなかった?」
私はなるべく動揺しないように笑顔で言った。
「そりゃ〜驚いたよ。まさか…」
莉桜ちゃんがちらりと目をやる先。
そう、教卓の上のタコだ。
「……カルマ君でしょ、イライラさせて暗殺しようとしてるんだね」
殺せんせーをイライラさせて、ムカつかせて、自分に何かしてくれば『先生』としての殺せんせーを殺すことになる。
「……そうみたいだね」
正直言うと…かなりグロテスクだ。
片付けようかどうか迷ったけど…目をそらして私は席についた。それの主犯らしいカルマ君も隣にいる。
「え〜と、東尾さん驚かなかった?」
カルマ君がこちらをにやけて見てくる。
「…別に、くだらないことしてるなって思っただけだよ」
「……へ〜え、くだらないこと…、ねえ」
さっきの態度から一転、笑顔が黒くなる。
「……そういえば東尾さん、あの…烏間先生、だっけ? との戦い…見てたよ、強かったじゃん」
「…別にカルマ君程強くないよ、触手も破壊したことないもん」
「でも烏間先生には勝ったんでしょ?」
……なんでこんな絡まれるんだ…
私は初対面のイケメンの人とは必ずトラブルを起こさなきゃなんないのか!?
ひたすらに無表情を装う。
「なになに、強くなった気でクラスメイト見下してんの?」
……はぁ!!?
なんで私がクラスのみんなを見下さなきゃならんのだ。
私が烏間先生に習ってるのは皆の役に立ちたいからだってのに!!!