第7章 赤髪の彼の手入れは長い。
小テストが終わり、帰りのHR。殺せんせーはどこか元気がなく、すぐに終わった。
「ねぇ京香。隣のカルマ君、どう?」
茅野ちゃんが笑顔で聞いてきた。
「どうって……やり手だけど多分あれじゃ失敗するよ」
私はため息をついて言ったが、
「かっカルマ君は悪い人じゃないと思うんです!」
と愛美ちゃん。
茅野ちゃんと私は目を合わせてニヤニヤ。
「なになに、カルマ君がカッコイイって?」
「ち、違います、でも……」
「でも?」
「……殺せんせーって、思ったよりドジなんだなあって今日思いました」
……そっちじゃない!!!
全く……まあまだほとんど関わりないし、これからかな。私は愛美ちゃんの方に向き合って言った。
「確かに……でも、カルマ君のあのやりかたは私、100%成功しないと思うよ」
「え、なんで?」
茅野ちゃんが不思議そうに言ってきた。
「殺せんせーは暗殺してくる人……アサシンに対していつも何かしてるでしょ」
「何かって……あっ!」
茅野ちゃんも気が付いたらしい。
「手入れ……の事ですか?」
愛美ちゃんが軽く手を挙げて言った。
「うん、手入れ。カルマ君はまだ手入れを受けてないでしょ」
先を読んだ私だけが分かる未来。
「……殺せんせーは、何か考えてると思うよ。特別な生徒…暗殺者に対する、とっておきの手入れをね!」
私から言えるのは、ここまで。
「さっ2人とも帰りな」
「あれ、京香は」
私は教室の外を指さした。
「烏間先生が校庭で待ってるんだ」
「あ、そうなんですか?」
「うん」
「じゃあ先帰ってるね、また明日!」
私は2人を見送ってから校庭へ向かった。