第7章 赤髪の彼の手入れは長い。
「あっはー、まァーた引っかかった」
息付く間もなくすぐに銃が発射される。殺せんせーは焦った様に避けた。
「何度でもこういう手使うよ。授業の邪魔とか関係ないし。それが嫌なら…俺でも俺の親でも殺せばいい」
それは……殺せんせーが犯せない、絶対のタブー。
「でもその瞬間から、もう誰もあんたを先生とは見てくれない。ただの人殺しのモンスターさ。あんたという『先生』は…俺に殺された事になる」
ジェラートを殺せんせーのコートに押しつけながらカルマ君はニヤリと笑った。そしてテストを放り投げる。
「はいテスト。多分全問正解」
慣れた手つきで扉を開けた。
「じゃね『先生』〜明日も遊ぼうね!」
そして教室を出ていく。皆が黙ってテストを受けていた。殺せんせーは明らかに戸惑っている。ここまでモロに自分の身を捨てて反抗されるのは初めてだからだろう。皆は今クラス内で起こったことに驚きと、少しの嫌悪感を感じていた。
……これがカルマ君か…。
実物は初めて見たから衝撃だったけど、頭もいいし体もすぐ動く。
確かに殺せんせーを一番早く殺せそうに思う。
でも殺せんせーで忘れちゃいけないもの。
カルマ君はそれを知らないから、暗殺に失敗するんだろう。
先を知っている私には、ただ黙って見ていることしか出来なかった。