第6章 基礎は復習。
しかしそれもあっさり捌かれてしまう。
避けて、交わして、軽くあしらって……
「このように多少の心得があれば、素人2人のナイフ位は俺でも捌ける」
磯貝君、前原くん両方からナイフを向けられながら軽く防ぎ、私達に説明をしている。あの2人はこの時点ではクラスの中でも結構ナイフ上手いのにな…。
「……すごい…………」
周りの子がぽつりと呟いた。
「これはすごいですね……あの2人、E組の中でも運動神経いいのに……」
愛美ちゃんもじっと烏間先生の方を見て呟いている。
「くッそ」
2人が一緒にナイフを向けると、烏間先生は腕をつかみ、そのまま地面に軽く飛ばした。
「わッ」
「ゲッ」
空気を切る音が聞こえる。
「俺に当たらないようでは、マッハ20の奴に当たる確率の低さがわかるだろう」
……本当にすごい…………。息が切れてる2人と比べて烏間先生は全く息が切れていない。まさに超人技。
さてと、そろそろ授業も終わりかな。本校舎の方をちらりと覗いて時計を見るとあと5分ほどだった。ここで烏間先生の締めの言葉が入って終わりのはず。
「東尾さん」
……ん?
「東尾さん、前へ」
「京香、呼ばれてるよ!」
茅野ちゃんに言われる。
「……私!?!!? ……ですか!!!?」
「そうだ」
驚きすぎて敬語が外れかけたので沈黙のあと敬語を付け直すと、烏間先生は当たり前だ、というように頷いた。
ええええええええええええええ!!!??
「は、はーい…」
何をするのか分からないがとりあえず前へ。