第6章 基礎は復習。
「異次元すぎてね〜…」
「体育は人間の先生に教わりたいわ」
殺せんせーは悲しそうに驚いた後シクシクと砂場で砂遊びをし始めた。
「…やっとターゲットを追っ払えた。授業を続けるぞ」
烏間先生はやれやれと言ったように眉間に皺を寄せた。
「でも烏間先生こんな訓練意味あんスか? しかも当のターゲットがいる前で」
「勉強も暗殺も同じ事だ。基礎は身につけるほど役に立つ」
近くにいた渚君は不思議そうに首をかしげた。
「例えば…そうだな。磯貝君、前原君。そのナイフを俺に当ててみろ」
……わあ。
やるのか……アレを。
一昨日私がアザまみれになったやつ……(転んで)。
昨日はナイフだけじゃなくて急所にも正しく当てられるような訓練したな…。そしてアザまみれになった。うん、私も大概不器用だ。ボーッと考え事をしていると、前原君と磯貝君は目を合わせて烏間先生に言った。
「え…いいんですか? 2人がかりで?」
「そのナイフなら俺達人間に怪我は無い。かすりでもすれば今日の授業は終わりでいい」
……かなりの自信だけどこれは正解だ。私も3時間がかりでようやっと当てた。授業の時間は50分。しかも今はもう終わりかけ。磯貝君と前原くんは運動神経がとても良いけど……ここから当てれば奇跡に近いだろうな。
「え、…えーと…そんじゃ」
戸惑い気味だった磯貝君はなかなかのスピードでナイフを突き出した。
……はずだった。
「…!!」
「さあ」
烏間先生は、やはりあっさりと交わした。
「くっ」
ようやく烏間先生の超人具合に気付いたらしい。続けて前原君もナイフを突き出す。