第5章 サービスは嵐の前触れ
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「烏間先生、今日から宜しくお願いします!」
烏間先生が赴任してきた日の放課後。
一足早く、私は放課後の訓練を受けさせてもらう事になった。
「一般の生徒は明後日の体育の授業から行う。君に教えるのは基礎だ。基礎だって何度も行えばいずれ応用に生きてくる」
「はい、頑張ります!」
「参考までに体育は」
「球技なら得意なんですけど…それ以外は人並です。」
私は頭をかきながら苦笑いした。
「球技が得意なら小物も扱える。ナイフや銃だって扱いやすくなるだろう」
なんか烏間先生が褒めるなんて…あまり無い気がする。
「あの、何すればいいですか」
「準備運動はさっきしただろう。なら……俺にナイフを当てられるようにしよう」
「……えっと、ナイフで当てればいいんですよね」
この先、烏間先生がナイフを即座にしかも完璧に避ける超人技を見ることがある。それが少し早めに来たらしい。実際に目の前で見たことないから分からないけど……どんなんかな。
「あぁそうだ」
「じゃあいきまーす……」
烏間先生の方にサッとナイフを突き出した。