第5章 サービスは嵐の前触れ
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椚ヶ丘の、とある場所。
「─事情は今話した通りです。地球の危機ゆえ秘密の口外は絶対に禁止。もし漏らせば記憶消去の治療を受けて頂くことに」
「……怖ッえ!」
「E組の全員に同じ説明をし、他の皆はすでに任務に入ってます。君も停学が解けたらE組に戻る、よって君にも暗殺任務を依頼します!」
赤髪の彼は、ナイフを弄びながら聞いた。
「…ねぇ、このゴムみたいなナイフ、本当に効くの?」
「ええ、人間には無害ですが奴への効果は保証します」
「…へーえ。ま、人間じゃなくても別にいーか」
ナイフをWANTEDと大きく記されている紙にズンッと刺す。あっさりと紙は破れた。
「1回さあ、先生って生き物殺してみたかったんだ。」
赤髪の彼は、舌なめずりを軽くして笑った。