第5章 サービスは嵐の前触れ
「ん? ていうか殺せんせー!! この花クラスの皆で育てた花じゃないですか!!」
「にゅやッ!? そ、そーなんですか!?」
わざとらしく泣く矢田さん。矢田さんは……クラス1胸が大きい…というか。とにかく可愛い人だ。巨乳嫌いの茅野ちゃんいわく『敵』らしいけど。
「ひどい殺せんせー、大切に育ててやっと咲いたのに」
「す、すいません、今新しい球根を…」
そして一瞬で消え、帰ってくる殺せんせー。
「買って来ました」
1分後。
「マッハで植えちゃだめだかんね!!」
「承知しました!!」
「1個1個いたわって!!」
「はい!!」
「……あれが地球を滅ぼす生物に見える?」
「全く見えませんね……」
茅野ちゃんと愛美ちゃんがヒソヒソ話す。
……うーん、殺せんせーよりも下手したらこのクラスの女子の方が怖いかもしれん……
「…チッ、モンスターが良い子ぶりやがって」
寺坂グループの不穏な空気。
……こっちもこっちで危なそうな気がするけど…私が首突っ込んだら逆にめんどくさい事になる気がする。
ふと隣を見ると、茅野ちゃんが何かに気づいたのか比較的近くにいた渚君に話しかけていた。
「渚、何メモってんの?」
それに気づいた渚君は、笑顔で対応する。
「先生の弱点を書き溜めてこうと思ってさ。そのうち暗殺のヒントになるかもって」
「…ふぅん。…で、その弱点暗殺に役立つの?」
私達も近づいて見てみる。
『殺せんせーの弱点、カッコつけるとボロが出る』
「……」
苦笑いを浮かべる渚君。
……うん、多分役立つよ……私の記憶によればね。