第5章 サービスは嵐の前触れ
「……今日のおやつは北極の氷でかき氷だとさ」
「コンビニ感覚で北極行くなよあのタコ」
そう話す声が耳に届いた。
「茅野ちゃん、あれは…何してんの?」
3年E組の暗殺方法は多種多様。予習をしてる私でも……度肝を抜かれる時がある。
「おっ、京香。あれはね…殺せんせーを油断させて殺す作戦……らしいよ」
目線の先には磯貝くんや片岡さんといった暗殺主要メンバーと、かき氷をシャリシャリ削っている殺せんせー。
「こっから見てよっか」
「そうだね」
しばらく見ていると、あまりにも胡散臭い爽やかさを振りまいて皆が殺せんせーに走って近寄っていった。
「殺せんせー!!」
「かき氷俺等にも食わせてよ!!」
「俺も俺もー」
感動して涙を流す殺せんせーに笑顔でナイフを向ける皆。
「……末恐ろしいね」
「まあ暗殺ならいいんじゃないかな……」
「私はあれに入れる気がしません……」
茅野ちゃんと愛美ちゃんと話し合う。
「どうなると思う?」
「……多分無理…かな」
茅野ちゃんの予言通り。
殺せんせーはマッハで避けた。
「笑顔が少々わざとらしい。油断させるには足りませんねぇ」
「……ほら、ね」
「まあ流石に無理か〜」
「仕方ないですね…」
遠くから眺める。
「こんな危ない対先生ナイフは置いといて。」
避けながらナイフまで回収していたらしい。
驚く岡野さんと前原くん。
そしてクラスメイトの手には何故かチューリップ。
「花でも愛でて、良い笑顔から学んで下さい」
ドヤ顔で言う殺せんせーに、何かに気づいた片岡さん。