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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り




「……何がそんなに問題なんだよ、俺がお前の面倒見ちゃ悪ィってのか」
「そういうことではないけど……」

でももう済んでしまったことだ。この世界に来てつくづく思う。終わってしまったことは変えられないのだ。

「わかった、皆のところ行こう。寺坂、ありがとうね」
「……おお」







みんなの所に行くと事はもう済んだようだった。
殺せんせーは肝試しをするという名目でなかなか進まないクラス内の恋愛事情をどうにかしようと躍起になっていたのだ。

「要するに…怖がらせて吊り橋効果でカップル成立を狙ってたと」
前原君が呆れたように先生を見下ろす。とうの殺せんせーは地面につっぷし項垂れたままだ。

「結果を急ぎすぎなんだよ」
「怖がらせる前にくっつける方に入ってるから狙いがバレバレ!!」
生徒から責められる殺せんせーは泣きながら弁明しはじめた。
「だ、だって見たかったんだもん!! 手ェつないで照れる2人とか見てニヤニヤしたいじゃないですか!!」
「泣きギレ入った」
「ゲスい大人だ…」
殺せんせーは根っからのお節介で人の恋愛ごとが大好きだからな……。

「殺せんせー、そーいうのはそっとしときなよ。うちら位だと色恋沙汰とかつっつかれるの嫌がる子多いよ。皆が皆ゲスいわけじゃないんだからさ」
中村さんが殺せんせーを諭すと、
「うう…わかりました」
とまたしくしく泣き出す。

「もう一件落着した感じかな?」
「そうみてえだな」
寺坂があのタコ……とか言ってると倉橋さんが寄ってきてくれた。
「東尾さん! もう大丈夫?」
「うん! ただ眠かっただけだし大丈夫だよ」
「そっか〜! 良かった!」
倉橋さんの笑顔の眩しさはプライスレスだ。あと愛美ちゃんもカエデちゃんも。

「何よ結局誰もいないじゃない!! 怖がって歩いて損したわ!!」
と、そこへ声が聞こえてきた。
「だからくっつくだけ無駄だと言ったろ。徹夜明けにはいいお荷物だ」
「うるさいわね男でしょ!! 美女がいたら優しくエスコートしなさいよ!!」
イリーナ先生と烏間先生だ。
どうやら殺せんせーが驚かしをやめたタイミングで入っていたらしく、烏間先生の眉間にはシワがよっている。
「Stupid!!」
と苛立たしげに言うイリーナ先生は、しかし烏間先生の右腕にしっかり自分の腕を絡ませていた。

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