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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り



凜香はむ、と眉をひそめたあと、
「そうじゃなくて……」
と切り出したが、その言葉は途中で遮られた。

「皆さん! あと少しで着きますよ!」
「律」
律が(全てのスマートフォンから)大きな声でそう叫んだからだ。

「早く薬飲ませてあげないとな」
「そうですね……これさえあれば!」
愛美ちゃんが笑うのに合わせて私も笑う。

……未来が変わった。
愛美ちゃんがここにいるのは予想外だった。

パラレルワールドだからなのかな。

「? どうかしましたか、京香さん」
「えっ、ああ、ううん。何でもないよ」
「そうですか……」
愛美ちゃんの眼鏡が不思議そうにキラリと輝いた。


私達は浜辺へと降り立った。
薬を持っている烏間先生が患者の皆に薬を配り、元気な私達は水を配ったり事情を説明したり。

「東尾さん……」
「あ、原さん! 大丈夫? 辛くなかった?」
そんな私に原さんが声をかけてきた。

「ううん、大丈夫……ありがとう。吉田くん迷惑かけたりしなかった?」
「え、吉田くん?」
なんで急に吉田くん……なんて、野暮な事は考えなかった。
原さんの頬は熱のためではない照りだ。

「……普通だったよ、すごく有難かったし、役に立ってたし、寺坂のこと助けてた」
そんな言葉をかけると、原さんはにっこり笑って、そのまま眠ってしまった。


そうしてそのまま皆はそれぞれがそれぞれの疲れで泥のように眠って。
烏間先生だけは殺せんせー暗殺のために(なんてったって今は丸くて動けないから殺しやすい)不眠不休で働いた。


一方の私は……。


「ん…………」

昼間。
みんなが目を覚ます夕方まで、あと3時間か4時間位の時間。
胸元の揺れに気がついて目を覚ました。
眠い目を擦り、揺れの原因であるスマートフォンを探る。
液晶に映し出されていたのは電話マーク。

そして。


「…………学秀?」


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