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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り




「ふーっ…やぁっと当たった」
ため息を小さくついて言ったのは……凛香だ。



攻撃する手段を失い、体に当てられた衝撃と痛覚でガストロは倒れた。


「よっしゃ!! ソッコー簀巻きだぜ!!」
ダダっと吉田君と寺坂が走り出す。それに引き続き皆も走り、さっきまでガストロがいたステージは皆で埋め尽くされた。

私も慎重に立ち上がり、皆の方へ向かう。

「肝を冷やしたぞ。よくこんな危険な戦いをやらせたな」
烏間先生がそう、殺せんせーに言っているのが聞こえた。

「どんな人間にも、殻を破って大きく成長できるチャンスが何度かあります。
しかし1人ではそのチャンスを活かし切れない。集中力を引き出すような強敵や、経験を分かつ仲間達に恵まれないと」

スモッグの正体を見破った不破さん。グリップと戦ったカルマ君。
自分の好きなこと、得意なこと、反省を生かして来た今日がある。

「だから私は、用意できる教師でありたい。
生徒の成長の瞬間を見逃さず、高い壁を、良い仲間を、すぐに揃えてあげたいのです」


ステージの上で皆がワイワイと千葉くんと凛香を褒めて、労う。

仕事人コンビの二人は目を合わせると、いつもより表情を崩しニッコリと笑って、銃を持っている方の腕をガシッと合わせた。



「凛香、千葉君、すごかったね、本当にお疲れ様」
私も近くに寄り、感謝の気持ちを伝える。

「京香……ううん、京香の言葉があったからだよ」
「え……」
私?

「殺せんせーの言葉にもすごく励まされたけど、京香が言ってくれたでしょ、『気負わないで』って。殺せんせーからとか、みんなからの見えないプレッシャーに応えることが出来たのは、京香の言葉があったからだよ、ありがとう」

凛香……

「あと、千葉もね。千葉がいなかったら、私何もできなかったし」
「いや俺だって、速水がいなかったらきっとあんなに上手く撃ててないよ、ありがとな」


……本当にカップルじゃないんだろうかこの二人は……。


私を含めた皆のニヤニヤに気づかず、二人は謙遜し合いながら笑って話していた。



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