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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り



「速水さんはそのまま待機!!」

かなり情けない、でも本当はすごく頼りになる人の声が聞こえた。


「今撃たなかったのは賢明です千葉君!! 君はまだ敵に位置を知られていない! 先生が敵を見ながら指揮するので…ここぞという時まで待つんです!!」
「なにィ〜? どこからしゃべって…」

ガストロの不審気な声が止まった。

ステージからぐるりと見渡すと、観客席のど真ん前に……殺せんせー(完全防御体)がいたからだ。


「テメー何かぶりつきで見てやがんだ」
「ヌルフフフ無駄ですねぇ、これこそ無敵形態の本領発揮」

ガストロが激昴し、銃声音が何度も響くがそれはどこかコミカルだ。殺せんせーの無敵形態ってほんとになんにも効かないんだな。

「熟練の銃手に中学生が挑むんです。この位の視覚ハンデはいいでしょう」
ニヤニヤと言いながら笑う殺せんせーに毒気を抜かれたのか、ガストロは、
「…チッ、その状態でどう指揮を執るつもりだ」
と独り言のように呟いた。


「では木村君、五列左へダッシュ!!」

殺せんせーのハキハキとした声とともに、クラス1俊足の木村君が動いた。

「寺坂君と吉田君はそれぞれ左右に3列!!」
「なっ…」
「死角ができた!! このスキに茅野さんは2列前進!!」

ガストロが目をやるのが精一杯なうちに、皆はさっさか動く。

「カルマ君と不破さん同時に右8!! 磯貝君左に5!!」

そこからさらに、
「出席番号12番!! 右に1で準備しつつそのまま待機!!」
と人を表す表現が名前から変わった。ガストロは名前を覚えようとしていたらしく、
「へ」
と言って呆然。

「4番と6番はイスの間からターゲットを撮影!! 律さんを通して舞台上の様子を千葉君に伝達!!
ポニーテールは左前列へ前進!! バイク好きも左前に2列進めます!!」

ガストロは移動している生徒の方へ慌てて銃を向けるが今度は次の生徒が移動し始めて……という無限ループ。

「最近竹林君イチオシのメイド喫茶に興味本位で行ったらちょっとハマりそうで怖かった人!! 撹乱のため大きな音を立てる!!」
「うるせー!! 何で行ったの知ってんだテメー!!」
……今のは寺坂だな……。


……私は出席番号で呼ばれたけれど、もしこういう風に特徴で呼ばれるんだったら、どんな風に呼ばれるんだろう……

なんて。

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