第25章 期末テストは個人戦!?
「社会!! E組1位は磯貝悠馬97点!! そして学年では…」
そして僅かな静音。息が詰まりそうなほどの緊張が伝わってくる。
「おめでとう!! 浅野君を抑えて学年1位!!」
「よっし!!」
痛いほどの空気がわあっと解ける。私も拍手を送った。
「マニアックな問題が多かった社会でよくぞこれだけ取りました!」
殺せんせーも嬉しそうだ。
「これで2勝1敗!!」
「次は理科…奥田か!!」
杉野くんの言葉通り、殺せんせーは切り出した。
「理科のE組1位は奥田愛美!! そして…理科の学年1位は!!」
……この空気よりも暗い空気が、A組では流れているのだろうか……。
「素晴らしい!! 学年1位も奥田愛美!!」
またも歓声が上がる。
「3勝1敗!! 数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越し決定!!」
殺せんせー自前のクラッカーがパンパン鳴り、みんなもより一層盛り上がる。
「やったッ!!」
「仕事したな奥田!! 触手1本おまえのモンだ!!」
照れくさそうに戻ってきた愛美ちゃんに私は声をかけた。
「おめでとう、愛美ちゃん」
「はい! 夢みたいです……!」
愛美ちゃんは本当に嬉しそうに笑った。
一通りテストが返されて、私も席につく。
「…てことは、賭けの賞品の『あれ』もイタダキだな」
「楽しみ〜」
……落ち着いたから、気付いた。横の席のカルマ君がいなくなってる……。
周りを見渡してもいない。渚君も同じ事に気が付いたらしく、私の方をちらりと見る。そりゃそうだ。カルマ君と席隣だもん。
……カルマ君、やっぱりダメだったんだ……。
まだ返されてない数学は、カルマ君が1番得意としているもの。でも結果をほぼ見ないでサボったって事だから……。
その後返された数学は79点だった。社会は81点で、理科は87点。合計点は422点で校内順位はなんと27位!!
テスト返しが終わり、皆が休み時間を迎えた。大急ぎで教員室に行く。
「……あれ、烏間先生いない……」
そこにはイリーナ先生しかいなかった。
「あら京香。何、カラスマに用があるの?」
「うん、点数良かったら私の家でご飯食べましょうって約束したの。まあ悪くてもご飯食べるって言ってくれたんだけどね。それで点数良かったから来たんだけど……」
「……………りなの?」
「え?」
イリーナ先生の言葉を聞き直す。