第25章 期末テストは個人戦!?
さらに翌日。
5時間目はテスト前の勉強会。
皆が皆、様々な教科をやっている。
「愛美ちゃーん、理科教えてー!!」
「いいですよ」
「あ、私もお願いしていい?」
「矢田さん! 勿論いいですよ!」
と、なかなか見ないメンバーが少しずつ揃い、お互いに教えあって勉強。
一方隣でカルマ君は大あくび。目に本を被せて寝ようとしている。
「こらカルマ君、真面目に勉強やりなさい!! 君なら充分総合トップが狙えるでしょう!!」
と殺せんせーが怒りに来た。
「言われなくてもちゃんと取れるよ。あんたの教え方が良いせいでね」
カルマ君はかったるそうに本を取って殺せんせーをチラ見。
「けどさぁ殺せんせー。あんた最近『トップを取れ』って言ってばかり。フツーの先生みたいに安っぽくてつまらないね」
「…………」
ううん、先生だって先生なんだから普通でもいいと思うんだけどな…それに教え方はだいぶ普通じゃないし。
「それよりどーすんの? そのA組が出した条件って…なーんか裏でたくらんでる気がするよ」
カルマ君は皆を見回してそう言った。そんなカルマ君に皆は笑う。
「心配ねーよ、カルマ。このE組がこれ以上失うモンありゃしない」
「勝ったら何でもひとつかぁ、学食の使用権とか欲しいな〜〜」
「ヌルフフフ、それについては先生に考えがあります」
和気あいあいとした空気の中、殺せんせーは提案した。
「さっきこの学校のパンフを見てましたが、とっても欲しいものを見つけました。
これをよこせと命令するのはどうでしょう?」
殺せんせーがパンフレットのページをパラパラとめくり、触手を指した。
そして皆の反応を見て、ニヤリと笑う。
「君達は一度どん底を経験しました。だからこそバチバチのトップ争いも経験して欲しいのです。
先生の触手、そしてコレ。ご褒美は充分に揃いました。暗殺者なら、狙ってトップをとるのです!!」
殺せんせーは触手に、国数英理社総の文字を浮かび上がらせ、パンフを手に得意げにネクタイを直した。
……うん、頑張るよ。
私も理科の教科書を手に微笑んだ。