第25章 期末テストは個人戦!?
「浅野理事長が急いでたのはテスト前で時間が無かったから。あと私がA組の前を通りたくなかったから。理事長と中で話したのは事務的な内容。全くもう……1日で浅野君と浅野理事長に腕掴まれるとか貴重な体験だね、めっちゃ痛いけど」
「それは悪かった。でもE組に謝る筋合いはない」
はあ〜イラつくなそれ!!
「みんなE組E組うっさいのよ。いつか変わるからね、それ。弱者と強者は簡単に入れ替わるし、隔離校舎のせいで努力も見てないくせに」
「それ以上言うと吊るし上げるぞ」
浅野君の目がマジで怖い……E組の変な人だと思われてたら誤魔化せそうなんだけど。
「じゃあね浅野君。私帰るから」
……まあでもテスト前で疲れてんのかな……だからあんなアホな発想して。
「頑張れなんて言わないから。ズルはしないでね」
私の言葉に浅野君は一瞬考え込んだ後ゲスそうに笑った。
「当たり前だろう。僕をなめるな」
……思えば、A組がこの先洗脳された時…一番最初にE組を認めたのは浅野君なんだよな。
でも負けないよ、そんな理由でひよりたくない。
弱者は弱者なりの戦う理由と、強さがあるんだから。
私は浅野君に軽く一礼して昇降口だと思われる方向に歩き出した。