第25章 期末テストは個人戦!?
翌日。
私は前の学校の制服を鞄に入れて登校した。
殺せんせーに事情を話し、放課後一教室借りることを承諾してもらい、烏間先生にもその話を聞いてもらって放課後訓練に参加出来ない旨を伝える。
「フム…また君だけ呼び出しか。妙だな」
烏間先生が疑心暗鬼そうに言うが、私は手をヒラヒラ振って答えた。
「多分大丈夫だと思います。だって…一生徒でただのE組への転校生ってだけですよ。理事長が何かおかしいって感じても…防衛省が何かしてんのかなーとしか思わないはず…」
……途中でもれなく声が小さくなった。
「…俺もついていこうか」
「いえっ、烏間先生の手を煩わせる程ではないですっ! 1人でどうにかします!」
前の学校の制服着てこいってだけでしょ、うん大丈夫……だと……信じてる……。
「……頑張ります……」
結局最後は俯いて苦笑いした。
△
授業をみっちり6時間やった後、空き教室に向かう。
「あれ、東尾さん自習していかないの? …ってそうだ、昨日理事長に呼び出されてたね」
「アハハ、そうなんだよねー」
渚君の言葉に相槌を打ち、教室を出る。
──えーと、空き教室。確か隣の隣の教室は空いてたよね。
教室をそっと覗きこみ、空いてることを確認。私はため息をついて着替えだした。
ブラウスのボタンを外して袖を脱いだ瞬間。
ガラリと扉の音がし、空いてるはずの教室に誰かが入ってきた。
「ま、前原くん!?」
「えっ……」
流石の榊原蓮に引き続く女たらし前原くんも、女子の生着替えには固まった。
5秒後。
「で、出てけーっ!!!」
「はいっ!!」
扉がさっきと逆回りしたかのようにピシャンと閉じる。
慌てて私も逆回りでシャツを着る。
……美波桜の制服着なきゃなんないのになんでこのタイミングで来るんじゃアホ!
手で、逆の腕の袖をぎゅっと握りしめる。
「……東尾、あのな、俺別に覗こうとしてた訳じゃないからな」
どうやら自分で閉めた扉によりかかっているらしい。少しくぐもった声は確かに前原くんの声だ。
「……分かってるよバカ前原。運のいい奴め」
私も扉によりかかり、窓の方を見る。
「……今初めて呼び捨てにしたな、東尾」
「…寺坂は呼び捨てにするんだけどね、他は皆君付けだった。だから……」
そこで言葉を切った。