第25章 期末テストは個人戦!?
自習が一通り終わった頃、磯貝くんから声がかかった。
「奥田、東尾さん」
「どうしたの磯貝くん」
「放課後空いてるか? 空いてるなら本校舎の図書室予約取れたから行こうと思って」
……あぁ、あれか! 確か学習書がいっぱいあって、席も予約殺到とかいう。
「私は是非行きたいです!」
愛美ちゃんがパァっと顔を明るくして言う。
私も行く、と続けようとしたけど……。
確かその席って6席しか空いてなかったような…んでもってマンガでは全部埋まった……。
「…行きたいけど今回はパスかな」
「え、何でだよ。こんなの貴重だぞ〜」
磯貝くんが意外そうに目をまん丸にした。
「行く時間はあるんだけど勉強する時間はない…むむむ…30分くらい…」
「あ、じゃあ座らないで行けばいいんだよ! 確か借りるのはOKなはずだよ!」
茅野ちゃんがひょいと顔を出す。
「私も行くよ、渚も行くし! 京香も行こう!」
「……そうだね、そうしようかな。じゃあちょっと烏間先生に断ってこようかな」
放課後訓練があったのを思い出し烏間先生に連絡。
かくて、私は本校舎(2回目)に行く事になった。
△
「うわあ…ここが図書室かあ……」
かなり広いし、みんな勉強してる。頭良さそう、という語彙力のない言葉しか出てこない私は完璧にあの仲間ではないのだろう。
「よし、勉強するか!」
空いてる席を指さし磯貝くん(イケメン)は笑った。皆も各々本を持ってきたり教科書を開いたりしている。
……私は本を探そうかな。
こちらの世界に来てからあまり本を買っていない。もちろんすぐに帰ると思っていたからなんだけど……お金をたくさん使うと烏間先生が何か言われちゃうからね、防衛省のお金だし。
私はかなり読書が好きなんだけど、こっちに来てから色々な事があって休み時間以外はすっかりしていなかった。マンガから小説まで何でもござれなのに…
こんなに大きい図書室なら小栗虫太郎の本とかあるかも!! 暗殺教室は無くても仕方ないけど脳噛ネウロはあるかも!!
私は好きにその辺をウロウロしはじめた。進学校とはいえ中学校だし、本だって試験に出たりするから重要なはず。
少し経って。
ざわ、とざわめく音がした。
…そういえばここもマンガに入る場面じゃん!!!
3ヶ月も読んでないから忘れてた!!
慌ててそっと皆の方を見に行く。