第24章 赤髪の考察。
次にこの間の彼女が泣きだした『事件』と烏間先生の説明について整理してみる。
彼女はどうやらあのイトナを連れてきた「シロ」に親を……連れ去られた? 遠ざけられた? ……とにかく一緒に暮らせない状態にされたらしい。
で、タコとの闘いの後シロは東尾さんに声をかけた。そして……親と暮らせない原因がシロだった事に東尾さんは気がついたんだ。いや、気付かされたというべき?
多分シロは大人の男。どうにか連れ戻して事情を聞こうと思ったが、力が強くて間に合わなかった。タコも自分が殺されようとしてた後だから呆然としてて全く役に立たなかったしね。
……あの後の彼女の表情は、まさに『絶望』というのが相応しかった。
東尾さんは勿論知らないんだけど、彼女が倒れた後の教室の空気はとんでもなく重かった。
仲がいい茅野さんと奥田さんはオロオロしてるし、自分の目の前で倒れた彼女を烏間先生と殺せんせーは必死で抱きかかえた訳なんだけど、その顔は顔面蒼白。
放課後の訓練の後の説明で一応納得の形に収まったんだけど、杉野みたいに裏で気にしてるやつがいたり、チラチラと東尾さんを見る人も多くなった。
同情、悲愴、その他もろもろの目。
あとはなんでビッチ先生がそっちに行ってるのかとかね。そりゃ親がいないんだったら仕方ないけど鍵とかどうしたんだ、体まさぐったのか? みたいな。
男の烏間先生と……あのタコは男なのか……男という事にしておく殺せんせーはいけないとしても。先生が別に熱で倒れた訳でもない彼女を放課後までずっと介抱なんて、少しだけ変だな、みたいな。
E組は俺以外気付いてないみたいだけど、東尾さんは常に少しの違和感がある。
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そして今回のプール。
当たり前だけど俺が東尾さんの事を見るようになったから目が合う回数が多くなった。
寺坂と一緒な所を見た時はまさかこれに関わってたから変だったのかとも思ったけど……寺坂の態度からして違ったらしい。
しかし…何でプールに入ってなかったんだろう?
プールは嫌いではない、と話しているのを聞いたことがある。
でも泳ぐのは少し苦手なんだよね、とも。
……まさか、未来を予知していたとでも?
ふ、とその考えに至ったけど、すぐに撤回。
もしそんなのがあったら世界中の話題だ。
……でもな……