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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第23章 裏切りは静かに火を燃やす




ギリ、と口を噛むイトナ君に、シロは再度声をかけた。

「イトナ!!」

「どうです、皆で楽しそうな学級でしょう。そろそろちゃんとクラスに来ませんか?」

全体的にふくらんだ殺せんせーがそうイトナ君に言ったが、
「…フン」
と言ってイトナ君はシロの元へ(文字通り)飛んでいった。


……私はシロを睨むことを忘れなかった。


そんな私に気が付いたのだろう。シロは口元に手をやって笑った。

……ムカつく!!!

何か言ってやろうと口を開けたが、それよりも先にシロが声を発した。





「……11月8日。また、3週間から4週間前より体調管理の為、身を預けること。こちらから呼ぶ」


「……は!?」

ただ口を開けている私にシロは言葉を続けた。

「7ヶ月だよ、君の期限は。それ以降帰ることは出来ない」

7ヶ月、って……なんの……


聞こうと思ったけど、途中で気づいて口を閉じた。



私が、こっちにトリップしてから、だ……


呆けている私に向かってシロは紙を飛ばした。

「受け取りなさい、東尾さん」

名前を呼ばれ思わず紙を受け取る。

「そこに詳細が書いてある。忘れぬように肌身離さず持っていなさい。自分の未来を選びたいならね」


そう言ってシロとイトナ君は去っていった。



……また少しだけ、皆の未来が変わってしまった。
でも、この間みたいに暴れはしない。

「き、京香……」


後ろから莉桜が声をかけてきた。



「ん? どうしたの」


私はいつも通り笑顔で振りかえった。

「京香……」

ホッとした顔をするみんな。……ごめんね、本当の事を言えなくて。

「ふぃーっ、なんとか追っ払えたな」
杉野くんが桶を投げて笑った。重苦しい空気を払うように。

「良かったねー殺せんせー。私達のお陰で命拾いして」
「ヌルフフフ、もちろん感謝してます。まだまだ奥の手はありましたがねぇ」

全く可愛くないったらありゃしない。

「そーいや寺坂君。さっき私の事さんざん言ってたね。ヘヴィだとかふとましいとか」

原さんがにこにこと笑いながら寺坂に言った。

「い、いやあれは、状態を客観的に分析してだな」
「言い訳無用!! 動けるデブの恐ろしさ見せてあげるわ」

一気に空気が砕ける。

「あーあ、本当無神経だよな寺坂は。そんなんだから人の手の平で転がされんだよ」

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