第23章 裏切りは静かに火を燃やす
「ずっとテメーが嫌いだったよ。消えて欲しくてしょうがなかった」
「ええ、知ってます。これの後でゆっくり2人で話しましょう」
つまり殺せんせーはこの後…殺される気がないという事だ。
カチ、と引き金が引かれた。
その瞬間。
ものすごい轟音と共にプールの岩が爆発した。
もちろん水は重力に応じて下へと落ちる。
滝のように水は流れ、皆が飲み込まれていった。
……心臓に、悪い……
思わず岩陰で座り込む。
私だけ、こんな風にコソコソ隠れて。
でも、1人でも助けられないなんて、そんなのやだ。
私だけ本当はここにいない存在で、それは国家機密な殺せんせーでもカバー出来ない。
だから、だから……
私は自分に言い訳するように手を握った。