第19章 球技大会は女のバトル。
何分経っただろうか。
腕も足も重く、やめたら倒れそうな程シュートを決め続けた。
もちろんその間には相手にボールがいったり、シュートを決められたり。
その度に食いついて、走ってパスしてシュートして……。
もう、走れない……!!!
その時。
鋭い笛の音が、私の耳をつんざいた。
「試合終了!!
こ、この勝負……E組の勝利!」
体育館に驚きの声が響いた。
私は体育館の床に倒れ込む。
「京香さん!! す、すごかったです!!」
愛美ちゃんが私を覗き込んできた。
「……お、終わったの?」
息も切れ切れ。
「はい、E組の勝ちです!! 私達、勝ったんですよ!!」
京香さんすごいです、バスケ初心者なのにゴールをここまで仕上げるなんて……と続ける愛美ちゃん。
……私は泣きそうだった。
「京香、お疲れ〜! 汗だくだね」
と続ける莉桜は、私が涙ぐんでいるのに気が付いたらしい。
何を思ったのか、にこりと笑った。
「嬉しいね、京香! 勝てたよ!!」
私は座って頷いた。
……嬉しい、嬉しい、けど…。
変えちゃった、未来。
本当は、あなた達にあるはずだった、意味ある敗北を。
この後の糧になるかもしれなかった、負けを。
私は私情で無くしてしまった。
……ううん、もしかしたら。
私がいることで、既に未来は変わっているのかもしれない。
私は顔を手で覆った。