第17章 映画はキャンセル
……約二時間後。
「もう暗いな」
千葉君が空を見上げてそう言った。
「そうね、そろそろ辞めますか」
「あ、ありがとう。結構付き合ってもらっちゃって……」
「いいわよ、私達も確認できたし」
2人は優しく笑ってくれたが、私はかなりボロボロだった。
……遠くも近くも当たらないってどういう事!?
もちろん完璧に当たらない訳じゃない。でも、2人は必殺なのに対して私は2分の1が限界。
今回は固定しながらやってみたけど、これで動いたりしたらどうなるんだろう……。
多分とんでもない方向に行っちゃうんだろうな……。
「あの、誠に申し訳ないんだけど……これからもたまに教えてもらっていいかな」
私は2人を見つめて言った。
「別にいいぞ。なあ速水」
「うん」
2人はあっさりと頷いた。
「ああああああありがとう2人とも!! 私、もっと上手くなるように頑張るね!!」
笑ってくれる二人に感謝。
いつか、2人くらい上手くなってやる!!
私はそう覚悟して、3人で家路へと帰った。